【書評】能力を高める 受験勉強の技術

本書の題名は「受験勉強の技術」となっているが、実際に目を通してみると技術論というより、詰め込み教育などと言って日本の学校教育を批判してきた人たちに対する「批判」が大部分を占める。本書を読むと、そういった批判の大部分は根拠のない主張で、「負け犬の遠吠え」のように聞こえなくもない。
さて、昔からよく言われている受験勉強批判としては、次のようなものがある。
- 詰め込み教育は悪か?
- そもそも日本の教育は「詰め込み式」なのか?
- 子供の自由を重んじるべきか?
- 受験勉強は対人関係を阻害するか?
- 受験勉強では、想像力は育たないのか?
- 結局のところ、受験勉強で何が得られるのか?
これらに対し、筆者は明確に、論理的に検証している。中でも興味深かったものは、「子供の自由を重んじるべきか?」について。アメリカの教育制度を引き合いに出し、筆者はアメリカの政策は間違いだったと論じる(これは実際アメリカでも問題になっているのだが)。アメリカは、極度に個人主義が発達しており、学校などの画一的な教育に反発する市民が大勢いるという。子供の自主性を尊重しよう!という名の下、アメリカの教育カリキュラムは相当自由が利くものであるそうだ。その結果、勉強に目を向けるようになったかというと全くの逆。青少年のドラッグや売春といった社会問題が頻発する結末となった。
日本の「ゆとり教育」も同様の道をたどっていると言えよう。教える科目や量を少なくし、休日を増やし、じっくり考える力を付けよう、という方針で始まったゆとり教育だtが、子供たちは有り余った時間を勉強に向けるわけもなく、学力低下に拍車がかかってしまった。かつては学力レベルが世界最高といわれた日本だが、現在はアジアでも最下位に近く、肩を並べるのは冗談じゃなく、北朝鮮だけだそうだ。
こうした悲劇的な現状を目の当たりにして思うのだが、現在の日本の状況がさらに悪化すれば、間違いなく日本の未来は危ういだろう。真っ先に改革しなければならないのは、言うまでもなく「教育」である。
2008年03月18日 | | 書評・映画評などなど
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