数学を学ぶことの意味
本日3月14日は、ホワイトデー、じゃなくて「数学の日」です。3.14と言えばもちろん、円周率"π"であり、数学で最も重要な数字なわけです。ただ残念なのは、最近の日本は数学や理科が嫌いになる子供たちが多く、科学技術大国として高度経済成長を遂げてきた日本の将来が不安になります。
私は数学が好きだし、面白いとも思っている。それだけでなく、数学は非常に大切な学問で、例外なく全ての子供や大人が学ぶべきだとも思っている。しかし、算数嫌いの子供たちの反論はいつも同じ、
「将来の役に立つの?」
驚くことにこの質問をされた時、まともに答えられない教師や親が多いそうだ。「受験に必要だから」と答えるのは、確かにその通りだが最悪の受け答えの1つだ。
ちなみにこの質問をされた時、私はこう答えるようにしている。
「じゃあ質問だけど、3000万円でマンションが5%引きで売られていたとして、不動産屋のオヤジが『消費税と相殺して3000万円でいいよ』と言われたら、あなたは得をした?」
この質問のミソは、消費税はどの金額につくのか、という実務的な知識と、簡単な割合の計算。どれも小学生で習うものである。実は3000万円という額面は全く関係なく、答えが出る。しかし、多くの人はその「3000万円」というインパクトのある数字に驚き、本質を見抜くことができない。ではどうすれば問題の核心をつくことができるのか?その力をつけるのが「勉強」なのである。
確かに、ベクトルや複素数などを勉強しても、直接的に将来に役立つ人はごく少数だろう。それは世界史や化学だって同じ。「将来の役に『直接』立つかどうか」のみを学習の基準にするのであれば、それこそ「読み・書き・そろばん」ができていれば生きていくことはできるだろう(それすらできない子供は多いが・・)。
「学校の勉強ではなく、社会に出てからの勉強の方が大切だ」という主張もある。私もそう思う。実際、学生時代より今の方がはるかに勉強している。しかし、なぜ今がんばって勉強できるのかというと、子供の頃から「頭を使うトレーニング」をしていたからに尽きる。つまり、初等教育の重要性は、「自分の頭で考え、問題を解決し、決断する力」を養うことにあるのである。そしてその力を鍛える最たる科目が、数学である。
数学で複素数やら三角関数やら二次関数やらを学ぶのは、問題を解決する武器を習得するためである。そして実際に問題に出会ったとき、どの方法で攻めれば効果的なのか?難解な問題を瞬時に解決してしまう、魔法の解法は存在しないのか、などを考える。見たことのない問題であっても、アプローチは同じ。この訓練は、社会に出て解決しなければならない問題にぶち当たった時の思考とリンクする。数学は単純暗記では通用しない。「なぜそうなるのか?」を考えることにより、粘り強い思考力を養うこともできる。
まとめると、数学学習で身に着けるものは、「源頼朝が鎌倉幕府をつくりました」などという事実や知識ではなく、「使えるアタマ」なのである。「私は計算は得意だった」などと言う人もいるが、それは全くのお門違い。計算ならコンピューターや電卓の方が速い。そうではなく、問題を解決できる能力があるかどうかが、重要なのである。
というわけで、数学は実のところ、最も「将来」の役に立つ学問であると、私は思っている。
2008年03月14日 | | 思うコト
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